an intangible
晴れ渡った雲ひとつない空に、
思いきりジャンプして、
羽ばたいて…
全身の力をぬいて、
風の力を少しだけ借りて、
何処まで飛んでいけるだろう…
まだ、見たこともない、
まだ、触れたことのない、
踏み入れた事がない、神秘な世界。
そこで、たくさんの物を、
持ち帰ってこよう。
煌びやかな、宝石
願いが叶う、木の実
若返る、水
澄んだ心を持つ、美しい妖精…
そこにある、物すべて、
僕の、欲しいものすべて。
どうして……
飛べない…
僕の力じゃ…
全てを捨ててでも、
妖精だけは、連れて帰ろう。
一緒に飛びたった…
もうすぐ、あと少しで、
僕の住む世界へ…
なのに…
美しい妖精の肌は、
酸化して錆び付いて、
羽根は、傷付いて、
徐々に、消えてなくなった…
何も、残らない…
結局、何も変えられない…
僕は何も変わらない…
スポンサーサイト